彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「なんだ、ありゃー!?なんで、あそこまで怒って・・・・!?」

「俺が携帯で伝えたんだ。」


「携帯!?」

「そう。」



旗をかかげながら、瑞希お兄ちゃんからもらった携帯を見せる。




「『通話中』にして、俺とお前らの会話をあいつらに聞かせたのさ。僕の部下達にね?」

「な、なんだとぉ!?」




ギョッとする堕裏亞の兵隊と総長に私は告げる。




「みんな、龍星軍の『幹部』になりたがってね・・・・。慣れたらメリット多くて、美味しい思い出来るからね~殺す気で襲うと思うから、気をつけてね?」

「き、貴様!?」

「ちなみに、彼らを実質的に支配してるのは、煉獄の貝原君だ。大野君、仲間を助けたいなら、彼を倒したらいいよ。」

「ああ!?テメー、なんでそんなこと教えやがる!?仲間を売る気か!?」

「何言ってるの?大野君レベルでも、貝原には勝てない。」

「お、俺が格下だと言うのか!?」

「わかってるならいい。身の程を知れ・・・・!」

「ぐぅ・・・・!!」



「コラー!?そこ!何話してんだテメーら!?」




私と大野の会話が終わった時、タイミングよく声が掛けられた。

暴言という声が背後から響く。





(――――――――――今だ!)





「さぁ~お前ら!!目障りな敵を倒してしまえっ!!『今、話した通り』だ!!」





旗を持って振り向きながら、追ってきた敵に―――――――貝原に向かって声をかけた。

それで副総長の眉間にしわが寄る。

私を見ながら叫ぶ。




「凛道!?『今話した通り』だと―――――――――!?」




どういうことだ!?と問いかける貝原に言った。





「そうさ!俺が電話で仲間を呼ばないとでも思ったか!?ははははは!」




大野にしたように、貝原にも携帯を見せる。

途端に、彼の目の色が変わった。




「てっめぇ!?―――――――――――そういうことか!?」



私と堕裏亞のメンバー達を見比べてから怒鳴る。

なにかに気づいたリアクションをする貝原。

それで、私の作戦は完了。

仕上げに大声を出す。





「とーつーげーき!!」





景気よく叫ぶ。




バウン!

バウバウバウバババ!!



片足を軸にして、地面につけアクセルターン。

その回転で旗がゆれ、綺麗に円をかけた。

一周したところで言った。