彼は高嶺のヤンキー様(元ヤン)




「はははははは!危ない、危ない!お遊びが過ぎましたね、太田君?」

「大野だよ!名前が覚えられないほど、4代目は馬鹿かよ!?」

「そうですね。必要ない名前は覚えない。」

「なっ!?」

「大野君、君たち堕裏亞は、真田瑞希さんを侮辱した。」




ポールを肩からおろしながら告げる。



「今すぐ、瑞希お兄ちゃんへの暴言を撤回するなら許してあげましょう。どうしますか?」


パラリラ~



「ふざけるな!誰が、龍星軍に頭下げるような真似するか!?全盛期ならまだしも、今頃復活したところで場違いなんだよ!」


パラリラ~!



「そうですか・・・謝罪はなしですか。」


パラリラ~!!



「そうだよ!って・・・・なんだこの音!?」

「大野さん!向こうから、なんか来ますよ!?」

「これバイクの音っす!結構な数ですよ!?」



パラリラ~!

パッパッパ!

パラリララララ!



「やっと来たみたいですね。」




気になるまで、うるさくなったバイク達のハーモニー。

ちらりと後ろを見ながら言えば、大野が叫ぶ。




「はあ!?どういう意味だ、凛道!?」


「言ったでしょう?仲間を待ってるって?」




堕裏亞の総長と私の視線がぶつかる。

見つめ合う形で私は言った。




「本日をもって、『赤龍会』は俺の軍門に下った!ついでに、十文字パークを根城(ねじろ)にしていた飛翔連合も、まとめて全部俺の兵隊だ!!」

「なにっ!?」

「「「「えええ!?」」」」





絶句する堕裏亞の総長以下、メンバーに、悪い笑みを作りながら言う。




「遊び過ぎたのはテメーらだ!!龍星軍の御旗(みはた)の元、新・龍星軍の恐ろしさを思い知らせてくれる!!」



バサッ!!




たすきのひもをほどき、旗をひるがえすのと、罵声が響いたのは同時。




「見つけたぞコラ!!」

「ぶっ殺す!!」



「「「げげっ!?」」」



殺気をまとった反凛道蓮同盟が現れる。

それに叫び声をあげる堕裏亞のメンバー。

彼らを代表して大野が声をもらす。