俺がハッとして顔をあげると、そこにはいつもの無表情な吉田さんの顔。 『平気』 「え?」 『気を付けて』 さっきまで「アブナイ」とか「気を付けて」とか吉田さんが言って意味が分からなかったが、吉田さんが俺からスッと離れて、やっとその意味が分かった。 「車…⁈」 俺は事故にあいそうだったらしい。 そしてそれを吉田さんが俺を庇って助けてくれたと。 あぁ、何てありがたい。