『アブナイ。』


俺が角を曲がろうとした時、凛とした声が耳元で聞こえた。
と同時に車のクラクションの音。

何が何やら分からない俺は、一応走るのを止めた。


『だからアブナイ。』


また凛とした声が耳元で聞こえてフワッと体が温かいモノに包まれる。

フローラルな匂い、艶のある黒髪。
それは吉田さんだった。