(仮)恋の幻想曲


この建物も凄いけど教室はもっと凄かった。
金で溢れてる。
ソファーやテーブル、テレビに冷蔵庫まで完備だ。


「……これ教室?」

「ま、そうなるよな。俺達Sクラスは授業無いんだ。ただ家庭教師が来る」


理皇君が言うには何をしても自由らしい。
本当にお金を掛けてる。


「え………じゃあ今は何すれば良いの?」

「うんと、奈々ちゃん一緒にトランプして遊ぼうよ」


そんなに可愛い瞳で見つめられたらOKしちゃうじゃない。
というかトランプして良いの?


「ねぇ、皆もやるでしょ………あれ?
遥ちゃんはまた遅刻なの?」

「全く。遥にも困ったな」

「それより早くトランプしようぜ!
負けた奴は罰ゲームな」


呆れる理皇君と無邪気にトランプを持ってはしゃぐ雛君、紫苑君の二人。
正反対だ。


「遥って人、いつも遅刻してるの?」

「あぁ」

ん?
暦の様子が少しおかしいような。


「おーい、暦に奈々生ちゃん!
早く早く」

「トランプ始めちゃうよ」


トランプを並べる紫苑君と雛君。
早すぎ!どんだけやりたいの!?


「うん、今行く」


ガチャン


「…おはようございます」


ドアが開いて入って来たのは眼鏡男子だった。