「シチュー、作ってるの!」 「お、うまそう」 「・・・っ!」 ち、近い! あたしの肩に顎を乗せて、鍋の中をのぞき込むあいつ。 しまいには、後ろから抱きしめられるような形になってしまい、 あたしは、動かしていた手を止める。 「聖恋、顔真っ赤じゃん」 「う、うるさい! 離れて!」 「それは、できませーん」 あいつは、いたずらっぽく言ってみせる。