そう言って、あの時と同じ表情で、そして、耳をつまんで少し恥ずかしそうに、手を差し出された。 「うん・・・! よろしくね!」 その手をギュッと握って、大きく頷いた。 もしかしたら、あの時からあたしもあいつに惹かれていたのかな・・・? 歩き出す足元を見て、そんなことを思った。 あと、あいつが耳をつまむ理由って・・・ きっと、恥ずかしいのを隠すためだよね? 「ふふ、」 「ん?」 首を左右に振って「なんでもないよ」と、あいつを見上げる。 あいつのこといっぱい知れて、胸がいっぱいになった。