あいつは、しゃがみこんで、わざとあたしの口元に耳を近づける。



「・・・か、帰る!」



あいつの耳からスッと視線を逸らして、スタスタと歩こうとしたのに、手首を掴まれ阻止される。



「逃げるのはだめだよ?」



「逃げてなんかない・・・!」



「じゃぁ、もっと呼んでよ。そんなんじゃ、足んねぇ」



「バカ、・・・ゆう、ひ」



そ、そんなこと言われたら、素直に呼べるわけないじゃん・・・!