動揺を隠すようなあいつの声。 「大丈夫? 変かな?」 「・・・べつに。むしろ、か・・・、っほら」 何かをいいかけて口を閉じると、いまだに逸らした視線のまま手を差し出してきた。 え、この手をどうしたらいいんだろう・・・ あいつの手を見つめていたら、ポンッと手をとられ 「こういうこと」 と優しく笑ってくれた。