「ごめんごめん、お待たせ。
はい、これあげる。」
暫くして爽さんが戻ってきて、私にある物を手渡す。
「これ…すずらん、ですか?」
「そっ。」
私が問いかけると、爽さんはとても満足気に笑って頷く。
「すずらんってさ、花言葉で“幸福が返ってくる”って意味があるんだよ。」
「幸福が、返ってくる…?」
「うん。
だからさ、幸せが全部逃げちゃった鈴ちゃんに、幸せが返ってくるように。」
「えっ、あ…、ありがとう、ございますっ。」
優しく私の頭を撫でながら微笑んでいる爽さんにお礼を言うと、私はそのすずらんを少しだけ力強く握った。

