「もしかして蹴鞠をしたのは初めて?」 「うん。よく庭でしている大人が楽しそうに見えて、やりたいと頼んでも“もしお怪我でもされたら”って言うばかりで誰もやらせてくれなくて」 どうやら、高貴なお方のご子息のようだと子供ながらにも分かりました。 でも、それなのに全く飾り気の無い喋り方を気に入った私は、自分自身のこともべらべらと話しました。