私は頷いて、自室へ急ぎました。 あんなにお話したのに男の子にお名前を聞くのを忘れていたことに気付いた私は、心の中で“橘の君”とお呼びすることに致しました。 その夜は、いつ逢えるのかということばかり考えていて眠れませんでした。 異性のことをそんなにもずっと考えていたのは初めてで。 この時橘の君に抱いたものが紛れもない初恋だったと私はまだ気付いておりませんでした。