幸輝がそれに邪魔され集中できないみたいだけど、美凪は逆に面白がって止めない。

「仲良いなぁ……、2人とも」

思わず独り言。

それに反応した前の席の子、浅倉さんがわたしの方を向いた。

「誰と誰が?」

「ん―、幸輝と美凪」

「ああ……」

浅倉さんはチラリと2人を見てから、声を潜める。

「もしかしてさ―、天野さん知らないの?」

「へ? なにを?」

はぁとため息を1つ。

「誰がどうみても、前野さんは矢田くんのこと好きじゃん」

前野さんが矢田くんのこと好き。

つまり美凪は幸輝が好きってことで。

……って、えぇ!?

「そうなの!?」