悠が言葉を続けようと口を開いたとき。
「ねえ、蛍!」
美凪がいきなりわたしに抱きついてきた。
「わわっ!…どうしたの?」
「ずっと2人でなに話してるのかなって気になってさ」
「うーん…、そんな大した話じゃないけど…。
あれ、幸輝は?」
美凪とさっきまでじゃれ合っていたはずの幸輝がいない。
しかも、よく見ると悠までいなくなっている。
「ああ、幸輝がジュース買ってくるって言ってたから、連れていかれたんじゃない?」
あはは、と笑う美凪。
そんな美凪に聞いてみたくなった。
「ねぇ、美凪…」
「ん―?」
聞いてもいいのかどうか迷ったけど、結局聞くことにした。
「美凪はさ…、好きなの?」
