1.
「あと2日で夏休みか。」
由香は、窓際の机にほおづえをつきながら
雲一つない青空を見てつぶやいた。
由香にとって、中学生最後の夏だ。
「最後だし、みんなと楽しく
過ごしたいな。」
「そうだね~」
隣の机に座り、花凜はニコニコしながら
由香の方をみて言った。
「由香は勉強に困る事がなくて、
羨ましい~!」
「はいはい。お世辞はいいよ」
「本当だもん!!由香は、花凜の自慢の友達だよ!!」
由香は、花凜を見て少し顔が赤くなった。
「やめてよ、そうゆうの
慣れてないから 。」
「うん。知ってる!!」
二人でおしゃべりをしていると、チャイムが
鳴った。
由香たちのクラス3‐Aは、そのチャイムを合図にカバンを持って走り出す。

どこへ向かうのかも分からず、ただただ走る由香たちのクラスメイト。

これから、中学生最後の夏が始まる。