やっと地に足がつき、ホッとして息を吐く。


だけど私の右手と、サクロの左手は繋がれたままで、特別な関係が現実なんだと安心した。


ふと私より大分背の高い彼を見上げるだけで、胸が高鳴る。



……だけどまだ、私にはサクロに言わなければいけないことがあった。



「……サクロ」

「なに? マイスイートハ二―」

「……」

「あ、怒る? ごめん、冗談!」



もう、いつものくだらない冗談を言えるくらいには彼は普通だ。


にへっと浮かれた笑顔で私と繋いだ手を振りまわすサクロの腕を下方に引っ張り、屈んでもらった彼の耳元に自分の口を寄せる。



「……サクロ」

「なに、どうした?」

「……あのね」

「うん」