――覚悟、決めよう。


今の今まで、大好き、と連呼していたくせに、私はなにを恥ずかしがってるんだ。


こんなことで、サクロを傷つけて良い訳がない。



「……私も、サクロの彼女になりたい、です……」



好き、とか、大好き、とかじゃない。


今後の二人の具体的な関係を口にするのは、また別に勇気が要って声が震えた。


か細く、語尾は消え入ったのに、それだけでは足らず私の顔は絶対赤い。今までにないくらい真っ赤。



――だけど、それと同時にサクロの顔も赤く染まるから、すごくおかしくてなんだか笑えた。



「……やばい」

「え?」

「メーちゃんが可愛すぎてやばい」

「……もー」

「メーちゃんが好きすぎて辛い」



やばい、可愛い、好き、を繰り返すサクロはいつものことなのに、今はいつも以上にどきどきして、嬉しくて、手が震える。


それから彼は、私をゆっくりと手すりの上から降ろしてくれた。