いたたまれなくなって、溢れる涙を手の甲で覆って隠す。
今日が、サクロと話す最後の日になるかもしれない。そう思うとみっともない姿を見せたくなかった。
――すると突然、体が宙に浮く。
「――えっ」
……えっ!? 何で? なぜ!?
驚いて目を開けて手足をばたつかせるけれど、数秒もしないうちにお尻に固い物が当たった。
気付けば、私を抱き上げたサクロに、階段の手すりに座らせられたのだと気付く。
低身長のせいで足が地につかず、怖い……! しかもバランスが取りづらい……!
私のお腹を正面から支えてくれるサクロの腕にしっかりしがみつき、声にならない悲鳴を上げた。
「――サクロ! 降ろして!」
ようやく声が出て、何故か目の前で楽しそうに笑う彼を睨みつける。
どういう展開……!?
「……メーちゃん、もっかい言って」
「……え?」
「俺がなに?」
「……好き?」
「もっかい」
「……好き」
「もっかい」
「……だから、好き」
……なんで何回も言わせるのっ!
改めて聞き返されると恥ずかしくて、急速に頬が熱を帯びていった。

