二人が説明してくれた前の町での関係に、へえ、と短く相槌を打って、それから少しの間を経てから、すごいね、と退屈な感想を述べる。
……こういうとき、どうやったら上手に反応できるんだろう。
せっかく教えてくれたのに……!
「二人は?」
「え?」
「いつから仲良いの?」
興味津々、と言った様子で、向かいの席に座る静ちゃんが身を乗り出して尋ねてきた。
……あ、私たちは。えっと。なんだっけ。
「俺が転校してきてから、同じクラスになって、そっからずっと仲良しなんだよ」
あたふたと言葉を探して選んでいる間に、サクロが的確に答えてくれたから、私もそれに頷く。
「そうなんだ、いいなあ。そういうの」
「いいだろ。メーちゃんの親とも仲良しだからな、俺」
「あはは、目に浮かぶわー」
自慢げなサクロに静ちゃんがクスクス笑う。
私も笑えばいいのに、どうしても上手にできない。
……昔から、初めて会う人と話すのが苦手で、すごく自分が嫌になる。

