出逢いは今から2年前の事。

入学式に遅刻した私。

「あー!ヤバイ!もう始まるよ!」

焦っていて、入学式の遅刻の事だけを考えてた私。

曲がり角で確認もしないまま曲がってしまった。

ドンッ……

私は誰かとぶつかってしまった。

「ごめんなさい!でも、私急いでて・・・」

ふとぶつかった相手の顔を見る。

・・・うちの学校の制服だ。

「大丈夫?今日入学式なの?君」

優しそうな声で私に問いかける。

「え・・・あ、はい」

「俺も。今日入学式。でもヤバイな。遅刻確定かもな」

「はは」と笑うその姿は無邪気で優しそうな顔をしてた。

「あっ!急いでください!遅れますよ?!」

「それより、君名前は?」

「わっ・・私?」

「君以外誰が居るの」

「そりゃあ、近所の人とか、あと・・・」

「ぷはっ!君、面白いね」

私は凄くドキドキしている。

きっと彼女がいるだろう人に。

とてもカッコいいんだもん。

「・・・聞いてる?」

「あ!何でしたっけ?」

「やっぱり面白いね。名前だよ。名前」

「ああ、そうでしたね。私は越戸華っていいます。宜しくお願いします」

「俺は金子大翔。宜しくどうぞ!」

「ニッ」と笑う大翔くん。

「あ!こんな所でこんな事やってる暇ないよ!遅刻しちゃう!」

「ホントだ!行こうぜ!」

大翔くんは私の腕を掴み学校まで全力疾走した。