「暑いね!」

親友の沙羅が言う。

「そうだね!夏っていい季節だけど暑いよね・・・」

私の名前は越戸華。

今年でもう高校最後の年!

早いよ!

「華!あれ、金子くんだよね?」

金子大翔(そら)。

一年生の時からずっと好き。

彼、モテるからなかなか喋る事が出来ない。

「華、喋りかけちゃいなよ!」

沙羅が口に手をあてて喋っている。

「無理だよ!回りにいっぱい人いるじゃん!見えないの?!」

「失礼なっ!見えてるよ!でも今は大丈夫!ほら、皆居なくなってるよ!」

そういう問題じゃないんだよな・・・。

「ほら!勇気を出して行くのだ、華!」

沙羅に背中を押され歩き出す私。

いける。大丈夫。

と自分に言い聞かせて私は彼の元へと駆け寄る。