優しさ

「宮田先輩、今って忙しいですか?」




「いや、受付に用があっただけだしもう済んだから別に。」




「あがりですか?」




「……まぁ、そうだね。……診ようか?…この子?」




「あ、いいんですか?」




「小児科の外来、空いてるから。………行こうか。」




「……グスッ…ふぇぇ……」




「祐美ちゃん、大丈夫だよ〜。」



エスカレーターに乗って小児科の診察室に行き、祐美ちゃんをベットに横にした。




「うぅ………」




横になっているのが苦しいのか祐美ちゃんがモゾモゾ動き出した。




「祐美ちゃん、痛いね。………お膝たてたらいたくないかな?」




そう言って祐美ちゃんの膝をたて体を横に向けると、少し楽そうになった。




「お名前言えるかな?」




「………石田祐美……です。」




「いしだゆみちゃんね。ありがとう。」




脈をとろうと祐美ちゃんの腕に触れたら、




「いやぁだ…………グスッ」




「……すぐ終わりにするからちょっと触らせてね。」




……………脈速いな、腕も熱い。




とりあえず脈はとらせてくれたが、相当嫌がってるし、こりゃ大変そうだ。