「紗季、琉架くんのこと…好きなんだね?」
つぐみの言葉に、小さく頷く。
今更気づいたって、もう遅いけれど。
取り返しのつかないことをしてしまったけれど。
琉架の傷ついた顔を思い出して胸が痛むのも。
常に琉架が頭の中に浮かんで離れないのも。
寂しいと思うのも。
全部、琉架が好きだから。
失って初めて気付くなんて。
失ってからじゃ遅い、なんてよく言うけれど。
本当だね。
だってもう、琉架はいないんだもの。
琉架が私から離れたいと思うのも、当然だったんだもの。
「つぐ、み…私っ……私、どうしたらっ…」
「寮に入ったからって、二度と会えないわけじゃないでしょ?」
「うー…っ…」
「琉架くんが想ってくれてたように、今度は紗季が琉架くんを想わなきゃ。
叶わなくても、辛くても想ってないと。だって琉架くんは、そんな想いをずっとしてきたんだから」
つぐみの諭すような言葉に、コクンと頷く。
ごめん。
ごめんね、琉架。
謝って許してもらえないかも知れないけれど。
今度は私が琉架を想うから。
だから…
今度会った時には、どうか…笑って欲しい。



