side 紗季



最近、流架の様子がどこかおかしい。


朝はまた自分で起きるようになり、帰りも遅くなった。


相談には乗ってくれるけれど、それが終わるとすぐに自分の部屋へ戻ってしまう。



なにかあったのかな…。



私はというと、秋良とはまだ付き合っていない。


好きだとは言ってくれるけれど、私がまだ自分に自信がつくまでと決めているから断っていた。


でも、私もおかしいんだ。

秋良のことより、今は流架の事が気になって仕方ない。


秋良が好きだという気持ちは嘘じゃない。


ドキドキするし、カッコいいとも思う。


なのに、頭に浮かぶのは、流架のこと。



幼なじみだし、弟のような存在だから心配で気になってるんだ、きっと。




そして変なのは流架と私だけじゃない。



「ねぇ、紗季」


「ん?」


「あの年下イケメンくん……いや、なんでもないや」


「?」



つぐみもなんだかおかしい。

学園祭以来、流架のことを話そうとしては、やっぱり何でもないと言う。



どうしたのかな。

流架と何かあった?