いくら追いついても、またすぐに離される。


近づきたいと踏み出せば、その分距離を置かれてしまう。




でも…。


好きなんだ。


どうしようもなく、好きなんだよ…。




なぁ、紗季……。



俺、好きでいてもいいかなっ…?



「っ……くっ……」




俺、今更紗季以外のやつ好きになる自信なんてないんだ…。



ずっと、紗季しか俺の目には映ってなかったからっ……。



ぐいっと涙を拭って俺はその場を離れた。



涙は止まらない。


こんなにも、胸が苦しい…。



それでも俺は、紗季が好きなんだ。