「今の、仲谷 秋良さんだろ?」
「秋良のこと知ってるの?」
驚いたように目を見開いた紗季。
けど、俺は紗季があの人を名前…しかも呼び捨てで呼んだことにショックを受けた。
どんなに親しくなった男がいたって、紗季は絶対下の名前で呼ぼうとはしなかったから。
それはつまり、あの人は紗季にとって特別だってこと。
「プレゼントもらったんだ。開けてみる」
嬉しそうに開ける紗季をボーッと見つめた。
そんなに嬉しいのかよ、あの人からもらったのが。
だけど、そのプレゼントの中身を見て、俺はドン底に突き落とされたんだ。
「あ、時計!嬉しい、私欲しかったから」
それは澄んだ青色の皮の小さな時計。
淵はシルバーで、針は俺が買ったのと同じハート型。
…とても俺の小遣いじゃ買えないものだった。
色もすごく紗季に似合っている。
あの人が、紗季のために選んで買ったもの。



