次の日
「今日だよな、高瀬先輩の誕生日!なんか買ったか?」
下駄箱で会うなりいきなり話し出す慶介にちょっとため息。
まず挨拶じゃねぇのか、この野郎。
「買った。時計だけど」
「時計!?高くね!?」
「さすがに高いのは無理だった。だから安くても紗季に似合うのを選んだつもり」
本当はもっといいのを買ってやりたかったんだけど。
なんせまだ中坊なんでね…。
「高瀬先輩なら何でも喜んでくれるって。な!」
「あぁ、サンキュ」
ずっと昔から一緒にいたからか分からないけど、慶介に言われるとなぜか落ち着く。
まぁ、ウザい時も多々あるけど。
今日はおじさんもおばさんも仕事でいないらしいから、俺と紗季だけで誕生日を祝う。
きっと明日盛大にお祝いするんだろうな。あの人達、紗季が大好きだから。
そのあと学校がいつもより早く終わったから、俺は紗季と一緒に帰ろうと思って高校に向かった。
ちょうど時間だったようで、生徒が校舎から出てくる頃だった。
中学生のガキが校門で待ち伏せとか、なんか恥ずいんだけど。
早く来ねぇかな、と思っていた時。
「待てよ高瀬ー」
高瀬?
聞こえてきた声に反応して少しだけ覗いてみると、昨日見たキャプテンがいた。
そしてその人の隣に目を移した瞬間、俺は目を見開いた。
「紗季…?」
紗季が、笑っていたから。



