いじめてあげる。








まかせられるわけもなく莉奈がひやひやしながらウサギを見守る。



「(小声)ゴホンッ。じゃ行くよー」

「(小声)っ」



ドキドキバクバク



「…えー、眠り王子の魔法を解くためにはウサギ王子のキスが必要とゆう事でー、失礼します!」

「!」



壱夜先輩の唇にウサギ先輩がゆっくりと近づく。



あと20センチ…



10センチ…



ドックン



ドックン



ドックン




ドック…「ごふぇ!!」



え…!?



目をつぶっていた私は恐る恐る目を開ける…


と。



「え!?」

「…なにしてんの」



ウサギ先輩の唇は壱夜先輩の唇に重なることはなく、壱夜先輩の手のひらによってキスはまぬがれた。



「…ねぇ、なにしてんの?」

「ヒィっ!」



壱夜先輩が怒ってらっしゃる…!!