「かぞ……く……?」
「うん」
目の前で、ベッドの上のサイがにっこりと笑う。
そう……だよね。
そりゃあ、家族にも、一度は会っておきたいよね。
奈々子との再会は、家族と会わせてあげてからでもいいかもしれない。
だけど……もし、サイが幽霊としてこの世にいられる期間が限られているなら、急がないといけない。
それだも、サイがそうしたいのなら、その願いは叶えてあげたかった。
サイの家…
サイの家族…
「いいけど、私が一緒に行ってもいいの?」
「いいよ。むしろ……誰かに、そばにいてほしいから」
「サイ……?」
なんで、そんなに悲しい顔をしているんだろう…?
聞きたいのに、サイがあまりにも、寂しげに笑うから……
「日曜日で、いいんだよね……?」
「うん」
私の言葉に、サイは小さく頷いた。

