どうしたら、このふたりのようにお互いを大切に思えるのか……
私なんて、特別嫌われることはしていないはずなのに、陰口言われて…
だからといって私自身も、家族や友達、周りの人を好きになれなくて…
このふたりは……私には眩しすぎた。
大切な奈々子の、ふたりの関係を壊す気なんてサラサラない。
だけど、私は……しばらくサイを、ウチに泊めることに決めた。
べ、別にイヤらしいことなんて考えてないんだからね!
誰に言うわけでもなく、ひとり心の中で叫ぶ。
親友の彼氏を部屋に連れ込むなんて、どうかしてるとは思ったけど……仕方ない。
サイの姿は私にしか見えないし、それに…
「サイって、一般的に世でいう幽霊ってやつだよね」
「ああ、うん。まあ……そうなるね」
「暑さとか、感じる?」
「いや、全然」
死んでいるからなのか、温度を全く感じないという。
夜の冷え込みには耐えられそうだけど、さすがに外に一晩中いさせるのは、少し…
親友の彼氏だし、自分にできることはやってあげたい。
もちろん、寝るときは別々に……って、あれ?
「幽霊って、睡眠とか必要なのかな?」
「えー、どうだろなあ…」