天使が舞い降りる。




「それよりあんた!」


「あんたじゃない。サイ」


「サ・イ!!」


会話のテンポを乱されたことに腹が立つ。だけど今は、そんなことよりも根本的な問題をまず解決しましょうじゃないか…。


「一体どうやって、空から降ってきたの?」


あんなふうに、空から飛んでやってくるなんて……普通の人間じゃまずできない芸当だと思う。


最初は映画の撮影かドッキリかと思ったけど、違ったし…。


だけど…


「空から降ってきた…?オレが?」


サイが言った言葉は、私の求めている答えとは明らかにかけ離れていた。





へ…?


「え…覚えて、ないの?」


つい数十分前に、空から降ってきたこと…


「覚えてない…」


……冗談でしょ?


覚えていない?自分自身のことなのに?