ああ、
どうしてかな…?
どうしてこの時、私と君は出会ったのだろう?
『ありえない出会い』
偶然か、必然か、あるいは神様の気まぐれなのか…
どちらにせよ、彼との出会いが…平凡に動いていた、私の人生の歯車を狂わせることになる。
「なあ、あんた名前は?」
「…。」
私は眉をしかめ、あからさまにイヤな顔を彼へと向けた。
「もう…さっきも言ったじゃん」
つい数分前、私の記憶が正しければ同じ質問に答えている。
「涙。夜々木 涙だよ。あなたの高校の隣!南高に通う2年生」
「へえ…あれ、同い年?」
ちなみに「2年生」ってことも名前と一緒に名乗っている。
……覚える気ないだろ、こいつう。
私は彼を連れて、ある場所へと向かっていた。

