「そんなにイヤならさ、なんでカラオケに涙誘ったの?」 トイレの前から立ち去ろうとした直前、咲乃は言った。 「駅前のカラオケ、4人以上じゃないと割引にならないの」 私には…… はじめから家族も、友達もいなかった。 全部全部、形だけだった…。