天使が舞い降りる。




「あの子さ、男いたらしいんだよね」


知ってる。


「へえ」


「あれ、あたしフリーとかって聞いたけど」


「つーか男いないとかありえなくない?高校生じゃん」


愛姫の言葉にムッとした。


悪かったね。高校生にもなって彼氏なんてできたことなくて!


「彼氏この学校?」


「他校だって」


他校…


そういえば、初めて奈々子に彼氏がいるってわかったあの日、すぐにチャイムが鳴っちゃって、彼氏の名前とか学校とか聞きそびれたんだっけ。


携帯に夢中になっているふりをしながらも、私は3人の話のやり取りに耳を傾ける。


あれ。でも…


なんで、咲乃が奈々子に彼氏がいること知っているんだろう?


こうして彼女が話しているということは、奈々子が私以外の誰かにも話して噂になってしまっているということだ。


瞬間……ニヤリと不敵な笑みを浮かべる咲乃。






「常盤奈々子の彼氏…一昨日の夜、交通事故で死んだらしいよ?」