奈々子が男子から告白されるなんて、そんなの幼稚園の頃からだし…
その噂が耳に届いても、別に驚きはしなかった。
「告白されたんだって?」と前に聞いたら、
「うん。あ、でももちろん、丁重にお断りしたよー」
なんて、笑いながらの返事が返ってきた。
「私、好きな人いるからさ」
「え?」
「ていうか、もう付き合ってるんだけどね」
「えええええええええ!?」
と、そこで初めて実は彼氏いました事実が発覚したわけなのだけど…。
「ごめんごめん。別に黙ってるつもりはなかったんだよ」
奈々子はそう言ってケロッとしていたけど…
ショックだったなー…あのときは。
まあ、もう何日も前の話だけど。
あ、もしかして…
ふと、ある考えが頭をよぎる。
さっきのあの、奈々子の泣き腫らした目は…
彼氏と、なにかあったからなんじゃ…
私のその予感は、目の前の彼女の発言で的中することになる。
いや、正確にいえば…自分の想像を遥かに超えるものだったのだ。

