「ねえ、優ちゃん!夏休みの読書感想文の本、これにしない?」


ある街角の、古い本屋さんで……


中学生ほどの女の子が手に取ったのは、一冊の本だった。


「えー、なに?……『天使が舞い降りる。』?」


もうひとりの女の子が、本の表紙を覗き込みながらそのタイトルを読み上げた。


「おもしろそう!ストーリーはどんな感じなの?」


「んーっとねー、家族関係も友達関係も上手くいっていなかったある少女の前に、天使みたいに綺麗な男の子が空から舞い降りてくる話だってー」


「すごいファンタジー!」


「いや……実話って書いてるよ?」


「えー!?」








信じるか信じないかは……





あなた次第。






             Fin