「涙!泣かなくていいから走れ!」


それなのに、サイは私をどこへ連れて行こうとしているのか…


学校を出て、いきゆく道をただひたすらに走っていく。




「ねえ……!どこ向かってんのよお……!?」


サイが消えてしまう前に……私だって、伝えたいことがたくさんあるのに。


―『涙の人生は、涙のものでしかない』


私に本音をぶつけてくれたこと


―『他人の敷いたレールの上と、自分が選んだ道。後悔するのはどっちだと思う?』


前に進むためのヒントをくれたこと


―『ありがとな、涙』




優しく、笑いかけてくれたこと―・・








もう、怖くないよ?





サイのその笑顔で、もうなんだって乗り越えていける。