「おはよう、咲乃、涙」
「おはよ」
翔子は咲乃ほどじゃないにしても、髪は明るくストレートロング。背が高くて大人っぽい感じの女の子。
対照的に愛姫は背が小さく童顔ではあるが、化粧が濃く、目のまわりはいつもパンダ状態だ。
ふたりも隣の咲乃に負けないくらい、一段とスカートが短かった。
学校での私たちのグループは、この4人で構成されている。
たまに委員会とかの集まりで、他の女子によく聞かれる。
「タイプ全然違うのに、なんで夜々木さんて赤井さんたちと仲いいの?」って。
まあ…確かに畑違いの人種ではありますね。
現在進行形で彼氏がいて、男慣れしているこのグループの中では、私はかなり浮いてしまっている。
実はこのグループができあがるきっかけの、咲乃と仲良くなった理由というのが、私が新学期早々季節外れの風邪にやられてしまい、学校を3日ほど休んだということにあった。
クラス替えで1年生の頃とメンバーが変わり、ただでさえ内弁慶な性格だというのに…
風邪が治り学校に来たころには、既に仲のいいグループができあがっていて…。
だけど、ひとり例外がいた。
「ねえ、一緒に昼ご飯食べてよ」
それが、偶然隣の席の赤井咲乃だったのだ。
「あ…うん」

