「奈々子に会いに行くわけにはいかない」


思わず、サイの胸元のカッターシャツをつかむ。


「なんで!?」





サイは笑った。




天使のように、綺麗な笑みを浮かべて……










「奈々子の気持ちなんて、全部わかってる。でも、もし奈々子に会ったら……



オレはたぶん、奈々子を殺してしまう」








「え……?」