改めてもう一度、足元にいる女の子へと目線を移す。
「ねえ、お姉ちゃんだあれ?」
私が黙っているからか、また女の子が同じ質問をしてきた。
ああ、でも……
確かに瞳の透き通った感じとか、似ているかも……。スッと通った鼻筋とか、薄い唇とか……よく見れば顔のひとつひとつのパーツがサイに若干似ていることにも気づいた。
この子……絶対将来モデルとかになれる……。いや、子役モデルでも普通にいけそうだ。
「あ、えっと、私は……
君のお兄ちゃんの、友達」
なんと答えたらいいのかわからなくて、とっさに出てきた言葉がそれ。
「サイ兄ちゃんのともだち!?」
瞬間……奏ちゃんの瞳がぱあっと輝き出す。
「奏のお兄ちゃんをしってるの!?」
嬉しそうに、奏ちゃんが勢いよく腰のあたりに抱き着いてくる。
『サイ兄ちゃんの友達』……
それだけで、どうやらこの子は私のことを気に入ってくれたようだった。サイのことを、どれだけ好きだったのかがわかる。
「うん、知ってるよ」
「じゃあさ、じゃあさ!奈々子お姉ちゃんは知ってる?」

