「5歳。オレの11コ下」
「ええっ!?」
平然と答えたサイに驚きの声を上げる。
せいぜい2、3違いかと思ってた……。
「名前は?」
「それは会わせてから教えるよ」
フッと、サイが意地悪な笑みを浮かべる。
そんなもったいぶらなくても……
納得できないながらも、駅にたどり着く。
「ごめんな、涙」
駅で切符を買おうとしたら、突然サイが謝ってきた。
「え?なにが?」
「お金使わせて」
えー、そんなの……別に謝ることじゃないのに。
最終的にサイについて行くと決めたのは私なんだし……私もサイの生まれたところを見てみたいと思っていた。
「つまんないことで謝んないでよ」
「じゃあ、ありがとう」
背後から聞こえたその言葉に、目を見開く。
は……はじめから、そう言えばいいのに……
そっちの言葉のほうが全然嬉しかった。

