衣麻と僕と俺と私




『気持ちは分かるけど


もう少し協力してくれないとね』


ついさっき担任の先生に言われた言葉が


頭の中をぐるぐると回る。


それってつまり


私たちがこっちの子たちに合わせるってことだよね。


「そんなん、不公平」


「何が?」


はっとなった。


だって私、今完全にインマイワールドだった。


唯一の救いが授業中でなくて放課後だったこと。


だけど、目の前の人の存在も忘れてたなんて・・・。


「そういえば


何で衣麻と良太と雪乃の3人呼び出されてたん?」


椅子と机の向きをいつもと逆にして


私と向かい合って座ってる翔馬。


今はまだ1学期の席順のままだけど


運動会が終われば席替えがある。


4月の最初はギクシャクしてたから嫌でたまらなかったこの席。


今となっては席替えなんてして欲しくないって思う。


「北小出身者の宿命」