衣麻と僕と俺と私




「雪乃?」


「あ・・・何?」


俯いてぼーっとしてたのか


びっくりしたように顔を上げた。


顔色は悪くないけど、悩み事かな?


「何かあった?」


「んー・・・あったんかなぁ」


話したいけど話しにくいって感じの顔。


「帰りにでも話きこか?」


「あ・・・みんなに相談したいかも」


そっか、そういえば雪乃は昔から


何かあるとみんなに相談してた。


私だけにってことはあまりなかったかも。


私は雪乃にだけとか良太にだけとかが多かったけど。


「帰りに公園で話すね」


少し寂しそうに言って、再び宿題を始めた雪乃。


だけど・・・


「何?気になるけん今にしいや」


良太にはちゃんと聞こえてたみたい。


「でも、翔馬おらんし」


そっか、みんなは7人だもんね。


良太もそれを理解したみたいで少し笑って


“分かった”って言った。