衣麻と僕と俺と私




雪乃が優しく微笑みながら言った。


雪乃のこんな穏やかな表情見たのいつぶりだろう。


最近はいつも泣くのを我慢してるような表情だったのに。


「そっか・・・良かった」


心から思う。


翔馬がまた前みたいにみんなの輪にいることが嬉しい。


「よし・・・俺らはそろそろ帰るね」


良太の言葉でみんなが立ち上がったから


私も立ち上がって玄関まで見送る。


もう18時前か。


「ありがとう。気をつけて帰ってね」


「あ、そうだ衣麻」


他の3人は先に行ったのに和斗と航平だけ立ち止まった。


「俺ら2人も衣麻のこと待っとるけん」


「翔馬にも瑛斗、見せてやれよー」


何気ない言葉だけど、嬉しい。


「和斗も航平もありがとう。バイバイ」


今までになく清々しい気持ちでみんなを見送った。



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朝6時に起床して制服に着替えて朝食を食べる。


こんなに早く日常が戻って来るなんて想像できなかった。