衣麻と僕と俺と私




私が座ったのを見て、良太がテレビを消して


部屋の中はすごく静かになった。


「衣麻、この前はごめん」


誤ってきたのは良太。


思わず顔を見ると気まずそうな顔をしていて


少し俯いている。


「別に、良太は悪くないし。


悪いのは全部私って分かっとる」


ひねくれてるように聞こえるかもしれないけど


これが私の本音。


「あの次の日、また6人で集まって話したんよ。


ちゃんと冷静になって翔馬の話も聞いた」


今度は篤が説明してくれる。


「翔馬、照れくさかったけん


戻って来た理由を母さんって言ったけど


ほんとは翔馬自身が戻りたかったって。


母さんはたまたま同じ気持ちやったって。


俺らに会いたかったって・・・・言いよったよ」


そっか、篤が言うんやったらほんとなんだと思う。


だけど、まだ私の心にしっくり来ない。


「実は、翔馬の朝練がない時だけ一緒に学校行きよんよ」