衣麻と僕と俺と私




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目の前には信じられない光景が広がっている。


良太が泣き叫んでて四つん這いになってて


その下には翔馬が仰向けで寝転んでる。


「俺らが知りたいんは・・・


お前が戻って来たかったかどうか!


それを教えろ!」


我に返ったらしい篤たちが止めに入ってるけど


良太はそんなのお構いなし。


やっぱり・・・私の嫌な予感は当たってしまった。


「じゃあ・・・俺も言う」


今まで黙って良太の言葉を聞いてた翔馬が起き上がって


良太の胸ぐらを掴む形になった。


ちょっと待って。


今までこんな喧嘩1度もしたことなかったじゃん。


「あんな真っ暗な中


衣麻を1人で学校にこさせたお前はどうなんだよ!


何かあったらどうした!」


学校を出る時に少し不機嫌だったのは


そのことが原因だったんだ。


どうしよう、私のせいだ。


全部、私の・・・


「衣麻!?」


雪乃が慌てた様子で私の名前を呼んだ。