私が心の整理をできなかった理由は、これ。
翔馬が戻って来たかったのかどうかが分からないから。
「・・・衣麻、翔馬呼んできて」
びっくりして良太の顔を見た。
だって、良太n声は聞いたことない程に
怒りを含んでたから。
「でも、今は部活・・・」
部活紹介の後すぐに“俺、バスケ入る”って
何故か宣言してきたから。
野球じゃなくてバスケなんだって冷めた気持ちで思った。
「そんなん知らん。はよ呼んで来てや」
他の4人も良太の様子にびっくりして声も出せないでいる。
「・・・分かった」
まだ4月のこの時間帯はすでに薄暗くて
きっとすぐに日が落ちる。
多少遅くなってもご飯までに帰れば大丈夫だけど
今は何よりも良太が翔馬に何を言うのかが怖い。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
学校に着いたらすでに真っ暗で
私は自転車置き場を通り過ぎて体育館横に自転車を止めた。
時刻は6時半。


