衣麻と僕と俺と私




そういえば雪乃も良太も


私と同じ理由で部活は入らないって言ってた。


北小学校出身は人の多さに慣れてないから駄目だなぁ。


「越智さん、馬越くんと付き合っとるってほんと?」


あと少しで授業が始まるって時に


斉藤くんが発した言葉は予想外すぎるもの。


理解するのに数秒はかかった。


「美男美女で仲ええみたいやけん噂になっとる」


美男美女ってのは置いといて、仲が良い!?


昔の私たちなら間違いなく仲良しだった。


だけど今は・・・


「全然仲良しなんかやないよ」


私の言葉と同時にチャイムが鳴って、授業が始まった。



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中学の時と同様に


高校に入学しても特に用事のない限り


昼休みは体育館裏の日陰で過ごしている私たち3人。


そこには気まずさはないけど、元気もない。


理由はただ一つ、翔馬のこと。


翔馬のことは隣の高校の3人にも伝えた。