「いつになったら俺もみんなの輪に戻れるんかな?」


入学式から約1週間の日の休み時間。


翔馬はいつものように私を振り向いてそう言った。


「・・・・・・」


「えー、無視?」


戻って来た翔馬は変わってないように思えたけど


やっぱり前とは違う。


そりゃあ4年半も会ってないから当然なんだけど


何か違う。


「まだ心の準備ができてない」


無視を貫くつもりだったけど、さすがに駄目だよね。


だから私はそれだけ言って


音楽室に行くために教室を出た。


入学式の日の昼間、私は公園で翔馬と話した。


引っ越した理由に戻って来た理由


翔馬は全て話してくれたんだって思う。


だけど、それを笑って受け入れられるほど私は強くなくて


まだ他の5人に詳しいことは話せずにいる。


何も知らない5人は私から何かを感じ取ってか


必要以上に翔馬と関わろうとしてない。


私が決心しないと何も始まらないっていうのは分かってる。