衣麻と僕と俺と私




はぁ・・・。


中学1年の時も思ったけど、3年間大丈夫かなぁ。


あの時はなんだかんだで6人一緒だったから。


なんか吐きそう。


机の上の鞄を抱き寄せて顔を埋める。


そもそも何で初日からグループができてるの?


本来この日って静かなものじゃないの?


あ、そっか、この辺には2つしか高校がないから。


私ってばドラマの見過ぎかなぁ。


なんて、どうでもいいことを考えてみる。


そうでもしないとやってけないよ。


「ストラップ落ちてるよ」


なんか近くで声が聞こえたけど、きっと私じゃない。


だって私、鞄にストラップなんてつけてないし。


「寝てるのか」


その言葉と同時に耳元で“コト”って音がして


すぐにその人が前の席に座るのが分かった。


ちょっと待った。


どう考えても私じゃん。


恥じらいとか何も考えずに顔を上げて机の上を確認する。


あったのは確かに私のストラップ。


だけど鞄につけてた物でゃなくて、ポケットに入れてた物。